（映画ラストシーンの舞台、須賀神社入り口の階段、2016年12月21日撮影）
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映画と小説「君の名は。」感想など
〜映画と、もうひとつの君の名は。〜
-アニメ映画「君の名は。」（新海誠監督）と「小説 君の名は。」（新海誠作）-
「君の名は。」、9月に映画見てから「小説 君の名は。」を読んで、11月5日（土）に、再び、映画見てきました。小説版を読んで、頭の中を整理しておいたこともあり、前回、見落としていたシーンもよく見えて、前回以上に感動してしまいました。「あとがき」にあるように、小説版は、映画制作と並行して執筆されたとのことなので、「もうひとつの君の名は。」であるとともに、映画を補完する意味もあると思います。
色々なことに気付きましたが、例えば、「魔法少女まどか☆マギカ」を思わせる要素が多いことに改めて気づきました。
そもそも、時間のずれというタイムファンタジーのからくり。そして、ヒロイン、三葉の赤いリボン。「君の名は。」では、このリボンが飛騨地方で作られる組み紐ということになっていて、タイムファンタジーとしてのからくりと密接に関連していて、そういうところは、僕が知っている範囲では、これまでの作品になかった新しい要素ですが、リボン自体は、「まどか」を連想してしまいます。また、細かいことですが、三葉の友達の名前が早耶香（さやか）！おまけに、この早耶香の声を担当する声優は、「まどか」でまどかの声を担当した悠木碧！
前回、見たときには、プログラムが入手できなかったのですが、今回、再入荷していて入手できたので、それを見ていて、このキャストに初めて気づきました。このほか、パンフレット見ていたら、制作協力として、スタジオカラーの名前があるのにも驚きました。しかし、そんなことよりも、やはり、作品の内容が素晴らしいです。ちょっと、悲しいような気持ちにもなる作品で、マスコミなどの紹介では、「運命を変える」とされている部分が、自分には、「もうひとつの運命の可能性」というように見えてしまいます。この印象は、最初に見たときから変わりません。おそらく、どちらの解釈も正しいのでしょう。
帰り道で、街角の店先から、映画ではRADWIMPSが歌っていたエンディングテーマ「なんでもないや」を、女性歌手が歌っている歌声が聞こえたので、帰宅後、ネットで調べてみたら、映画で三葉の声を担当している上白石萌音がカバーしているのですね！
序盤に、オペラの序曲のように、物語の大筋をいくつかの短い映像で見せていることなどは、所見では気づけるわけないし、後半でも、三葉の行動が、三葉の時間の中でも、時系列とは別の順序で現れるので、やはり、初見では、時系列を完全に把握するのは難しいと思います。そんなわけで、とにかく、これは、2回以上見たほうがよいと思います。
後半で、瀧の魂が計画したことを、三葉が引き継げる理由は、映画では語られていないのですが、小説版では、記憶をめぐる瀧の自問自答のシーンがあって、これが、この謎に対する解釈を与えてくれます。そんなこともあるので、映画を1回見た後には、2、3度目を見る前に小説版も読むといいと思います。
最近は、公式ビジュアルガイドブックなども眺めています。
（2016.11.27）
【2016.12.22追記】
昨日（12月21日）、四谷に用事があったので、ついでに、とうとう、映画「君の名は。」の「聖地」、須賀神社入り口の階段を見物してきました。カメラを持った人たちが、入れ代わり立ち代わり上り下りしていて、特に、映画のラストショットと同じ階段上からの写真を撮ろうとして階段の上に陣取っている人が十人程度いましたが、階段の下にはあまり人がいなかったので、下からの写真は、比較的簡単に撮れました。下からのほうが、階段がよく撮れます。また、上からの眺めは、アニメとは違って、右側の壁に視界を遮られるなど、アニメほどの眺望ではありません。主人公の瀧が四谷に住んでいるという設定のようで、映画では、四谷駅をはじめ、四谷近辺の風景が集中的に出てきますが、あまり話題にならないのが、新宿の映画館、バルト9とマルイがはいったビルが登場する場面。これは、映画の序盤に登場しますが、僕は、そんなシーンが出てくることなど知らずに、偶然、最初に見たのがバルト9だったので、見ていて、「あ、ここだ！」と、びっくり。まだ、バルト9では見ていないという人には、是非、この映画館で見ること、おすすめです。もちろん、建物の外観をよく見ておかないとわかりませんよ。
（2016.12.22追記）
（映画ラストシーンの舞台、須賀神社入り口の階段、2016年12月21日撮影）
（映画序盤で登場する新宿南口、バルト9のあるビルが正面に見える、16年12月21日撮影）
【16.12.30追記】
主題歌「なんでもないや」（野田洋次郎作詞・作曲）の歌詞の中の「たった一つといつか 交換こしよう」というところの「こ」が、とてもいいと思います。映画で三葉の声を担当した上白石萌音さんによるカバーバージョンの音源も、Spotifyでも配信されているので、聴いてみましたが、アコースティックなアレンジもいい。
（16.12.30追記）
【17. 2. 9追記】
小説「8月のメリーゴーランド〜十八の情景」（Kindle版）を電子出版しました。この小説の中で、語り手の「私」と「奧山先輩」とが、映画「君の名は。」について語る場面が何度か出てきます。
（17. 2. 9追記）